処方薬剤費の年齢別持病の数別分析
           American J of Public Health97年10月号
                98年1月16日岡本

【目的】年齢および持病の数による薬剤費の現状を明らかにし、医療保険の薬剤給付の設
計に役立てる。
【方法】
 1987NMES(国民医療費調査)・の概略
 77年の・および80年の医療利用および医療費調査につづき、連邦政府が実施する大規模
調査(・は96年対象に実施)。メディケア・メディケイド以外の一般人口の医療費実態を
把握する唯一の調査。同時に医療保険の加入状況やADLも調査。
 対象期間・・・87暦年(1年間)
 対象世帯・・・1万4000世帯、3万6000人
 調査方法・・・抽出世帯を16か月にわたり4回インタビュー
【結果】
 高齢者ほど、また持病の数が多くなるほど年間の医療費支出は増加する、という常識的
な結論の他に・・・
 医療費の高い集団においては薬剤費の割合も高まる(いいかえれば高医療費は薬剤費の
増による)。
 Table 3.薬効分類別
  全年齢       小児    成人   老人
 心臓腎臓 31%          14%   41%(高血圧と心臓病有り者は57%)
 鎮痛剤  11%          17%
 抗菌剤  9%    54%    21%
 ホルモン剤  9%          13%
 向精神剤 9%
 胃腸剤  7%
 呼吸器剤 6%    14%
【考察】
 医療保険運営に対する本結果の意味するところ。
 ┳薬剤給付を手厚くすると「逆選択」が起こる!・・・高医療費者、持病の数の多い者
ほど薬剤給付を強く求める。現在のメディケアは外来処方薬剤費は給付外
                 ┛裏返せば
 薬剤給付を薄くすると、高医療費者や持病の多い者ほど打撃を被る。

 若年者の薬剤比率は低い┳小児の薬剤給付を手厚くしても財政難にはならないだろう。

 薬効毎の弾性に応じて給付率を変えるべき┳降圧剤は弾性値が高く、抗菌剤は低い。┳
降圧剤の自己負担割合を抗菌剤より低くすることによって、肺炎を起こして大量の抗菌剤
を使わなければならなくなっても降圧剤を中断しなくてすむ。薬効毎の「需要の弾性」を
もっと研究すべき。
 本データは医師の処方を適正化する上で有効(?)