卵巣ガンのスクリーニング:システミックレビュー ・・・・ Bell R, Petticrew M, Luengo S, Sheldon TA ・・・・ Health Technology Assessment 2(2)1-84[Cochran Library所蔵] 2000年3月31日岡本 【目的】現在行われている卵巣ガンのスクリーニング法の有効性、副作用(外科治療によ る死亡率のほか、偽陽性による精神的ショックも含め)、新しい方法による発見されたス テージ、そして異なったリスクグループごとの費用対効果 を評価する。 【評価対象とした介入の方法】超音波検査、血清腫瘍マーカー(CA125 ) 【対象人口】無症状の女性 【評価指標】スクリーニングの有効性(敏感度、特異度、陽性反応的中率、偽陽性率、ス クリーニングの副作用) 【評価対象とした研究の研究手法】卵巣ガンのスクリーニングの有効性を評価する目的で 実施された前向き研究のみを評価対象とした。スクリーニングの副作用の評価には、卵巣 ガン診断のための外科的処置の合併症を報告したものと診断の心理的な影響を報告したも のを対象とした。ただし外科的処置については50例以上の患者を扱ったものに限定した。 【検索の情報源】CC,MEDLINEの他、公表されていない調査を把握するため専門 家とのコンタクト、また学会発表を把握するためCancerlit を含めた 【評価基準】陰性と診断された女性をどれだけキチン と追跡したか、カットオフ 値が明確か、検 査法手順が明確か、スクリーニングの各段階でのドロップアウト 率、調査対象人口のリスク 要因が 明確に規定されているか。以上の基準は、分析するアウトカム ごとに、別々に評価された。 【評価基準の評価法】まず検索されたタイトルと要約のみを3人のレビューワーが別々に、対象にい れるかべきかを審査し、選択された文献について全文を2人のレビューワーが別々に審査した。 【評価対象となった調査研究の数】25 【結果】CA125によるスクリーニングは、約50%(95%CI23〜77%)がステージ・で、超 音波検査では約75%(95%CI35〜97%)がステージ・で発見された。年一回の超音波検査によ るスクリーニングは、敏感度はほぼ100 %に近い。年一回のCA125の敏感度は約80% 。偽陽性率は、超音波検査では1.2 〜2.5 %、CA125では0.1 〜0.6 %であった。ス クリーニングを受けた女性の3 〜12%が精密検査のため呼び戻され、不必要な精神的苦痛 を被った。精密検査のため外科処置を受けた女性の0.1 〜0.6 %が重大な合併症を被った 。卵巣ガン無しとされた女性の大半は良性婦人科疾患を有していた。 陽性反応的中率は低い(年一回の超音波検査で要精検とされた者のうち真陽性は0.6% 、年一回のCA125 検査で要精検とされた者のうち真陽性は1%)。これは卵巣ガンの有病率 が低いため。超音波検査は敏感度はCA125 より高いが、CA125 の方が偽陽性が少なく、陽 性反応的中率も高くなる。 これらのスクリーニングにカラードップラーを追加することによって偽陽性率を低くすることを提 案するものもあったが、その評価は分かれていた。 【コスト 】最初からいきなり超音波をやるよりも、まずCA125 でスクリーニングし、次に超 音波をやる方が安価につく、ことが示された。 【結論】卵巣がんの有病率は低いので、スクリーニングの陽性反応的中率も低い。また偽 陽性への、精密検査は外科処置となるので、それによる副作用も考慮すべきである。少な くとも低い有病率を考えれば、一般人口への検診としては費用対効果の面からすすめられ ない。家族歴があるとか、高リスク の女性に対しては有効かもしれないが、その証明はされ ていない。 【現況】本レビューの報告は、25の調査研究の著者にコメントのため送付された。・ヨーク 大学NHS 医療評価センター